The Cheserasera


2017.1.21 LIVE REPORT

The Cheserasera、LUNKHEADとの自主企画2マンで後輩卒業宣言!

 2017年1月21日(土)六本木VARITにて、The Cheseraseraによる自主企画「歌い手、冥利につき」<LUNKHEAD編>が開催された。

 この企画はThe Cheseraseraの宍戸翼(Vo/g)が、自らの音楽のルーツとなった先輩ヴォーカリストと対談する同名企画から生まれたもので、今回で3回目。宍戸が高校生の頃、アルバム『地図』の曲を全曲コピーしたというLUNKHEADを迎えてのツーマンライヴとなった。

 ソールドアウトで超満員の会場に、まず登場したのはLUNKHEAD。山下壮(Gt)のエキセントリックなギターが鮮やかな「闇を暴け」でスタートさせると、おどろおどろしくも疾走感のある曲調と小高の力強い歌声で、すぐさま観客の心を掴んでみせた。「前進/僕/戦場へ」ではイントロが鳴るや否や巻き起こった手拍子に、合田悟(Ba)もすかさず加勢。「行くぞー!」という小高芳太朗(Vo/g)の掛け声を合図に、バンドサウンドがギュッと引き締まり、貫録の中にも瑞々しさを感じさせる演奏で、聴く者を鼓舞していった。

 「ケセラが俺らのことをずっと聴いてくれて、こうやって一緒にできるのは、歌い手冥利、バンド冥利につきます」とThe Cheseraseraへ感謝の気持ちを伝えた小高。そして奇しくも当日の1月21日はLUNKHEADのメジャーデビュー日であることも明かした。「この日がなかったらケセラと会ってなかったかもしれないし、ケセラも今とちょっと違ってたかもしれない」と語り、普段は滅多に演奏しないというメジャーデビュー曲「白い声」を披露した。そして合田の熱血指導のもと、タオルを振りながらのコールアンドレスポンスで盛り上がりを見せた「うぇいうぇいうぇい」から、ラストは骨太ベースソロが印象的な「シンドローム」へ。後にこのステージを観た宍戸が「LUNKHEADは今がいちばんきれいに尖っている」と表したが、まさにその言葉通り、ガツンとロックにステージを全うした。

 そしてThe Cheseraseraは、この日が2017年のライヴ初め。1曲目「賛美歌」から、してやられた。宍戸のギターが、とろけるようにロマンティックな音を鳴らしているではないか。今までも、決して武骨な音ではなかったが、格段にメロウになっている。そこに重なる歌声もふわりと柔らかく、LUNKHEADとは対照的なステージの幕開けとなった。そのまま間髪を入れずに、「Youth」「BLUE」と焦燥感溢れるナンバーにギアチェンジ。「BLUE」では、美代一貴(Dr)の叩き出す性急なビートが炸裂。まるで3人のはやる気持ちを体現しているかのようだった。

 立て続けに3曲を終えたところで、宍戸がソールドアウトに対しての歓びと、フロアを埋める観客への感謝の気持ちを伝えた。新年早々幸先の良いスタートが切れたことを喜ぶ気持ちは、ファンも同じ。ステージの3人を労う様なあたたかな温かな拍手が会場を満たした。すると今度はLUNKHEADへの想いを語り出す宍戸。「今日から後輩を卒業して、認めてもらいに来ました!小高さん観てますかー!」とステージ上からLUNKHEADの小高へ呼びかけた。この言葉の裏には、成長した姿を小高に観てほしい、という気持ちが込められていたのだろう。

 宍戸と小高が対談を行ったのは約2年前。メジャーデビュー2年目にして、初のフルアルバム『WHATEVER WILL BE, WILL BE』を発売した頃だった。そしてThe Cheseraseraはその後、相次ぐメンバーの体調不良など試練の時期を迎える。その困難を乗り越えリリースされたのが『YES』と『Time To Go』という2枚のアルバムだった。この日、本編のセットリストの半数は、この2枚のアルバムの曲が占めた。つまり、2年前の対談の時には存在しなかった曲が現在のセットリストの基軸になっているということだ。そういった外側の部分だけを取ってみても、バンドとしての変化は顕著だろう。しかし、一番は困難を乗り越えた事でバンドの精神力が鍛えられた点である。MC明け、〈拝啓皆様僕は今日から迷いを捨てました〉と高らかに歌い始めたのは『Time To Go』の収録曲「ファンファーレ」。それはタフでポジティブになった今の彼らからLUNKHEADへの、清々しい宣戦布告の様だった。

 しかし、The Cheseraseraの進化はまだ止まらない。現在バンドは新アルバムの制作期間に入っていることがアナウンスされ、この日も新曲が披露された。「2017年は攻めていく」という宍戸の言葉に相応しいブラックなロックチューンで、端々に聴き取れた歌詞もなかなか皮肉っぽい。心地よいグッドメロディーを基調としていた、ここ最近の流れをガラリと変えてきた、という印象だ。新曲の作り出したムードをそのままに、怪しげでサイケデリックな「ギブ・ミー・チョコレート」へとなだれ込む。真赤な照明の下、「オンベース!西田!」と宍戸にコールされた西田裕作(Ba)がソロを披露すると、待ってました!と言わんばかりの大きな歓声が沸き起こった。

 本編も後半へ突入。開始当初は気持ちが前のめりになってやや演奏がバラついたり、荒削りになったりするシーンもあったが、ステージが進行するにつれ3人の息が合い、しなやかなグルーヴへと変化する。ちょっぴりほろ苦くて、それでいて決して下を向くことのないThe Cheseraseraの音楽と、衝動と繊細を行き来する3人の演奏が見事に嵌ったのは「Yellow」。やや緊迫感のあるサウンドと宍戸の伸びやかな歌声のバランス感も絶妙だ。そしてそのヒリついた余韻を慰めるように続いた「インスタントテレビマン」も素晴らしかった。1曲目の「賛美歌」で感じた宍戸のギターと歌のメロウな部分が、大らかで優しい音景と相まって、思わず涙ぐみそうになるくらいエモーショナルに響いた。そして東京タワーが見える六本木にちなんで疾走感溢れる「東京タワー」、代表曲「月と太陽の日々」を、観客の手拍子に讃えられながらエネルギッシュにプレイ。満面の笑みで「The Cheseraseraでした!あけましておめでとう!」と本編を締め括った

 アンコールに応え、再びステージに戻ってきた3人。宍戸、美代がThe CheseraseraのTシャツを着ている中、西田のみLUNKHEADのTシャツで登場し、早速メンバーからツッコミをくらう。どうやら小高が実際に着用していたものを貸りてきたらしい。その後も忘れ物をして一時ステージから姿を消すなどマイペースっぷりを発揮していた西田だが、この日、自身初となるトークイベントの開催が告知された。宍戸曰く、それも2017年の攻めの姿勢の一環とのこと。当日は宍戸によるフードも提供される予定となっている。詳細はぜひ下記情報をチェックしていただきたい。和気藹々とした3人のトークが一区切りついたところで、LUNKHEADの「冬の朝」をカバー。愛とリスペクトに満ちた演奏に両バンドのファンから、喝采が飛び交った。

 かつてはミュージシャンとリスナーだった2人の「歌い手」が、共演を果たしたこの日。LUNKHEAD にとっても、The Cheseraseraにとっても、過去と現在が音楽によって交錯した特別な1日となったことだろう。

TEXT by イシハラ マイ

2017.1.21 LIVE PHOTO (撮影:釘野 孝宏)

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特別対談「歌い手、冥利につき」 第一回 小高芳太朗(LUNKHEAD)

4.9 LIVE REPORT

The Cheserasera、憧れのLOST IN TIMEと対バン(完全版)

 4月9日Zher the ZOO YOYOGIにて、The Cheseraseraによる自主企画「歌い手、冥利につき」<LOST IN TIME編>が開催された。

 この企画は音楽情報サイト「NEXUS」にてThe Cheseraseraの宍戸翼(Vo/g)が、自らの音楽のルーツとなった先輩ヴォーカリストと対談する同名企画から生まれたものだ。初回のセカイイチに続き、今回はLOST IN TIMEを迎えてのツーマンライヴとなった。

 開演時間を回り、期待に胸を膨らませてステージを見つめていた観客たち。その意表を突くかのように、フロア後方にアコースティックギターを携えたThe Cheseraseraの宍戸翼とLOST IN TIMEの海北大輔(Vo/Ba/P)が登場。オープニングアクトとして、この日限定で結成されたユニット「つっくんほっくんa.k.a宍戸海」だ。まずは宍戸がイベント前日に31歳の誕生日を迎えた西田裕作(B)のために「30代ということで…」とLOST IN TIMEの「30」をカヴァー。海北もギターを弾きながら、ふわりと声を重ねる。続いて海北はThe Cheseraseraの「賛美歌」をチョイス。しっとりと歌い出し、サビは宍戸と息を合わせて熱唱。阿吽の呼吸に2人の相思相愛っぷりが窺えたオープニングアクトだった。

 先陣を切るのはLOST IN TIME。海北はアコースティックギターをベースに持ち替えての登場だ。ステージ中央にはピアノも見える。海北がそのピアノをおもむろに弾き、「Synthese」で始める。続く「列車」はロックなアレンジが施されていた。がっちりと土台を固めるような大岡源一郎(Dr)のドラム。曲に応じてベースとピアノを巧みに操りながらも、一点の曇りもなく前へ前へと放たれてゆく海北の歌。そこに三井律郎(G)のギターがスパイスの役目を果たし、多彩なサウンドを生み出してゆく。「ケセラセラ、今日は呼んでくれてありがとう。すごく楽しみにしてました」と海北。The Cheseraseraへの感謝と、アルバム発売への祝福の気持ちを込め、あたたかみのあるナンバー「366」を披露。あらゆる感情に染み渡るような圧倒的な歌の力と演奏で、観客を魅了した。

 そしていよいよThe Cheseraseraの出番だ。1曲目は「灰色の虹」。原曲とは異なる繊細なギターの音色で始める。宍戸の歌声がきれいに乗り、西田と美代一貴(Dr)のリズム隊の演奏もそれに続く。勢いはあるが、それに振り回されることなく心地良いグルーヴを生み出している。いつもはどちらかと言えばスロースターターで、曲を重ねるごとに熱と演奏を馴染ませていくバンドだ。だがこの日は違った。新アルバム『Time To Go』発売後初のライヴとあって、新曲も多数披露されたのだが、既存曲と並んで演奏されても、まったくぎこちなさがなかったのにも驚いた。

 「butterfly (in my stomach)」はドラム、ギター、ベースが複雑怪奇に絡み合う濃厚なサウンドと、ひょうひょうとした歌のアンバランスの妙で魅せる。既にライヴでの演奏を重ねてきた新アルバムのリードトラック「ファンファーレ」ともなれば、堂々たるものだ。美代作詞の「ラストワルツ」も良かった。別れの曲ではあるが、心地よいコーラスワークと壮大なメロディーで、不思議と悲壮感はない。過去の後悔や悲しみを受け止めて前を向いていこう、というこのところのバンドの空気がよく表れている曲だ。

 MCで宍戸はLOST IN TIMEの演奏に涙したことを告白し、「歌っていたからこそ、ロストと会えたので。うまいこと言っていいですか?歌い手冥利につきます!」と企画タイトルにも言及。この日、3人の演奏が素晴らしかったのは勿論だが、海北の歌に触発されたのか、特に宍戸の歌の表現力が群を抜いていた。泣き出したくなるくらい優しい声で始めた「インスタントテレビマン」、皮肉な歌詞を敢えてまっすぐ歌った「スタンドアローン」、アンニュイな「No.8」。歌詞もはっきりと聞き取れ、曲のストーリーがダイレクトに伝わってきた。歌に対する自らの感情の乗せ方や、歌うことによる曲の語り方に、ひとつ答えが見つかった。そんな風に見えた。

 本編を「月と太陽の日々」で終え、アンコール1曲目は新アルバムから「Lullaby」。この曲も、もうすっかりと観客に浸透しているようで、曲が始まると次から次に手が上がる。MCではLOST IN TIMEのTシャツに身を包んだ西田が「海北さん、ベース弾きながら歌うじゃないですか…僕としては立場がないんですよね」と発言し、観客を笑わせた。ラストの「でくの坊」では西田も海北に負けじとコーラスを熱唱。The Cheseraseraにとって、実に得るものの大きなイベントとなった。

 The Cheseraseraは6月3日(金)仙台 Flying Sonを皮切りにバンドキャリア初となるワンマンツアーをスタートさせる。宍戸のMCでアナウンスがあった通り、各公演で来場者特典として、メンバーが監修したMVが収録されたDVDとオリジナルステッカーが配布される予定だ。会場ごとに配布内容が異なるので、詳細は『Time To Go』Special Siteにて情報を確認していただきたい。尚、現在は宍戸監修の「seen」の一部が予告編として公開されている。宍戸のメッセージと共に、こちらもぜひチェックして欲しい。4月下旬には美代監修の「まっすぐに」、5月中旬には西田監修の「After Party lululu」も公開予定となっている。

TEXT by イシハラ マイ

4.9 LIVE PHOTO (撮影:釘野 孝宏)

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特別対談「歌い手、冥利につき」 第三回 海北大輔 (LOST IN TIME)


3.13 LIVE REPORT

 3月13日、The Cheseraseraが下北沢CLUB Queにて自主企画「歌い手、冥利につき」を開催した。

 この企画は音楽情報サイト「NEXUS」にてThe Cheseraseraの宍戸翼(Vo/g)が自らの音楽のルーツとなった先輩ヴォーカリストと対談する同名企画から生まれたものだ。初回はセカイイチを迎えてのツーマンライヴとなった。

 まず登場したのはセカイイチ。MCでThe Cheseraseraの宍戸も大絶賛した3月30日発売の新アルバム『Round Table』から「Grave of Music」を披露。燦然と輝くネオンの下で聴きたいファンキーなロックチューンだ。「Daylight」では歌詞が飛んでしまうと、そのままフリースタイルラップへ突入。アクシデントをあっという間にエンターテイメントへと変える流石の対応で、フロアを熱狂させた。これには改めてセカイイチというバンドの持つ音楽力を見せつけられた。「ケセラセラ、今日は呼んでくれてありがとう。お前たちにこの曲を捧げます」と、ラストはバンドマンによる、バンドマンの為の曲「バンドマン」を後輩へのバトン代わりに歌い上げた。

 The Cheseraseraは「灰色の虹」でスタート。そのまま「BLUE」「Youth」と疾走感溢れるナンバーを畳み掛ける。とにかく丁寧に、という意気込みが演奏に若干の硬さをもたらしていたものの、3人の表情は笑顔だ。「お客さんとしてセカイイチを観て帰ってもいいくらいだけど、ケセラセラも準備してきたので聴いてください!」と宍戸。セカイイチに続いて、この日はThe Cheseraseraも4月6日発売のアルバム『Time To Go』より新曲を4曲披露。サビの晴やかな展開が気持ち良い「ファンファーレ」では硬さも取れ、宍戸の歌がのびのびと響き渡る。続いて演奏された「Lullaby」はセンチメンタルな焦燥がぎゅっと詰まったThe Cheseraseraらしいナンバーだ。美代一貴(Dr)のドラミングが弾けた「まっすぐに」も痛快。西田裕作(Ba)の奏でる優雅なベースラインも相俟って、3人の奏でる音が完全にひとつのハーモニーとして完成した。

 そして特筆すべきは、ヒリついたサウンドが印象的なインディーズ時代のほろ苦いナンバー「彗星」から、前作の名曲「インスタントテレビマン」、新アルバムのラストナンバー「After party lululu」へと続いたシーンだ。「After party lululu」は「インスタントテレビマン」で掴んだ、拭いきれない孤独感を壮大で優しいサウンドと柔らかな歌声で表現するというThe Cheseraseraの新しい魅力がよりいっそう強く表れた1曲だ。バンドの永遠のテーマとも言える「やるせない想い」への表現が、どんどん多彩になってゆくのが窺えたシーンだった。

 本編を代表曲「月と太陽の日々」で締め括り、アンコールは「でくの坊」と定番の「SHORT HOPE」。思わずこぼれる笑みをおさえることもせずに、がむしゃらに鳴らしきった。次回の「歌い手、冥利につき」は4月9日 Zher the ZOO YOYOGIにてLOST IN TIMEを迎えて行われる。こちらもぜひ、チェックしていただきたい。

TEXT by イシハラ マイ

3.13 LIVE PHOTO

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特別対談「歌い手、冥利につき」 第二回 岩崎 慧(セカイイチ)

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